「かゆいトコないですか?」と聞かれたら「当ててください」と言いたい

この世のすべてを笑いにかえて生きるタムケンによるブログ。過去の記憶、日々の思い、外国人の妻や障害(ダウン症)を持つ子供たちとの日常について、笑いとユーモアたっぷりのエッセイを中心に書いています。

妖精のイタズラ

 

日々の生活で起こる不思議なこと。

あったはずのものがなくなったり

探した所に置かれていたりする。

それらは妖精の悪戯らしい。


私の周りの妖精はよく靴下を片方だけ隠す。

洗濯して、取り込んで、たたんでいると

よく片方だけ余った靴下が発見される。

なくなった靴下が発見されることは不思議と、ない。


先日も靴下が片方無くなり

残った片方だけが発見された。それも3足分。

また妖精の悪戯に遭ってしまったと嘆く私。


しかし妖精の悪戯でないとすると、どんな可能性があるだろう。


1、洗濯機まで移動する間に落としている。

2、干している時に片方が外れてどこかに落ちた。

3、元々片方しかなかった。

4、洗っている内に溶けた。

5、逃げられた。

6、逃げられたにしてもまだ遠くへは行っていないはずだ。

  まだ布団が温かい。

7、そりゃここ床暖房ですから。

8、マジで!?


こんな可能性が考えられる。

床暖房の普及により、刑事ドラマの名台詞である

「まだ温かい。犯人はそう遠くへは行っていないはずだ」

が見られなくなってしまったことが何より残念だ。

それはさておき、一番重要なのは、靴下を片方なくした時だけ

なくしたことに気づくということだ。

両方なくしたら気づかない。

だから本当はもっとたくさん行方不明になっているはずだ。

それこそ、妖精の隠し倉庫には山のように

私の靴下が片方ずつ置かれているに違いない。

そして山と積まれた戦利品を前に妖精たちはほくそ笑んでいるのだ。


探している本もよく妖精の悪戯で隠されてしまう。


先日、漫画喫茶に行った時の話。

ワンピースを読みたかった。

16巻だけ読んでいなかったので。

人気キャラ、チョッパーが登場するのだ。

店に入って戸棚を見た。

16巻だけ無かった。


妖精め!


飲み屋さんに行った時の話。

八海山を注文する。

「あいにく、本日は切らしておりまして」


妖精め!


銀タラの塩焼きを注文して。

30分後。

「本日銀タラを切らしておりまして。

 秋刀魚しかございません」


妖精め!


仕方無しに秋刀魚に変更して、焼き上がり、目の前に置かれた皿を見た。

おやまあ、なんて丸々太った秋刀魚でございましょう。

500gくらいはあるかな。

これは食べごたえがありそうって


これホッケでしょうが!


魚のエキスパート(自称)の私に向かって銀タラを切らした挙句

秋刀魚と偽ってホッケを持ってくるあたりが許せない。

どうやったらホッケと秋刀魚を間違えるんだ。

目をつぶってても間違え様がないじゃないか。

かたや海の牧草たる豊かな資源で代表される秋刀魚。

かたや北方の海で底魚として名を馳せるホッケ。

この2つを間違えるなんて、料理人の風上にも置けない!

ギャーギャー騒いでいるところで先輩の一言。


「あんまり騒ぐな魚バカ」


妖精め!


私は確かに魚に関しては目が無いが、

こともあろうに魚バカはないでしょうに。

それなりに凹んだよ。

気の弱い子だったら泣きながら逃亡するよ。

それもこれも全て妖精のせいだ。


そんなこんなで言うに事欠いて魚バカと罵られた私は

今日も妖精たちと戦うのであった。