今日は私の海外での失敗談について書いてみる。
私は別に
「海外に行きましょう」とか
「いまどきの人なら海外に行っておいたほうが良い」とか
そう言いたいわけではない。
むしろ海外なんか目もくれずに、自分のそばに熱中できる 何かを持っている人の方が素晴らしいと思っている。
なのになぜか仕事で海外に行くようになり、韓国人の嫁さんをもらうことになってしまった。人生不思議なものだと思う。
私が海外と日本を行ったり来たりするようになったのは、とにもかくにも全て仕事のためである。
旅行で海外に行ったことはない。
行きたくないわけではないが、思い切りインドア派なので室内でできることの方がよっぽど楽しいというのが本音だ。
大学時代、卒業の頃になるとみんなこぞって海外に繰り出した。 そこでたくさん食べたり、飲んだり、買い物をして帰ってきた。
ある人はブランド品をかいあさり、ある人はバックパック1つでアジアの田舎町を放浪したり。みんなそれぞれ貴重な経験をして帰ってきていた。 しかし私は特に興味をそそられなかった。
就職したての新入社員研修にて。
英語のレクリエーションがあった。
講師はある質問をした。
「今まで海外に行ったことのある人は?」
私以外の全員が手を挙げた。
海外経験のある人は多いとは思っていたが
まさか私だけが行っていないとは思ってもみなかった。 そう言えば友達の中でも海外に行ったことがないのは私だけだったことを思い出した。一人だけ手を上げなかった私は奇異な目で見られた覚えがある。
次に講師は私だけに質問した。
「貴方はなぜ海外に行かないのですか?」
私はこう答えた。
「身の回りにやりたいことが山積みなのに
わざわざ海外に行く意味が見当たりません」
なるほど、と講師は質問をやめた。
講師に嫌味や悪意は全く感じられなかった。
おそらくは自身も海外に好きで行く人だろうから、不思議に思っただけだろう。
(英語の講師が海外に全く興味が無いというのは普通はありえないだろう)
ところが入社後に私が配属されたのは海外を行き来する事業部。英語が得意というPRもしていないし、海外に行きたいという希望を出したわけでもなかったのに。変な会社だと思った。なぜか私の人生は私の思惑とは全く違う方向に進むようにできているらしい。
そして海外経験がある同期の中で、海外経験の無い私が最も海外に出る仕事に就いてしまった。
仕事で海外に行っているし、さして観光に興味はないがそれでも日本から出るという行為はそれだけで妙な体験をしてしまう。
以下、箇条書きにしてみる。
>>海外でのトラブルは?
→パスポート、航空券、財布を全部トイレに置き忘れたことがある。
アメリカのシアトルに行ったときのこと。
長いことエコノミーのイスに座っていて、窓側の席にいたため、なかなかトイレに行けなかった。
イミグレーションを通って入国してようやくトイレに行った。
パスポートとチケットと財布が入ったジャケットをトイレのドアにかけて用を足した。
アメリカのトイレは便座が異様に高い。
私の足のつま先がようやく着くが着かないか。
やっぱ外人さんは足が長いね〜と思いながらジャケットを忘れてトイレを出てしまった。
長旅でニコチンが切れていたので、空港から出たところの喫煙所でタバコを吸おうとした。
禁煙の国だけど、空港の屋外にはたくさん喫煙所がある。
自由の国だね〜とポケットを探ってタバコを取り出そうとしたところ、
ポケットにもカバンにもない。
おかしい。
成田で吸った覚えがあるのにタバコがない。
ああ、そうだった。ジャケットに入れていたんだった。
はて、でもジャケットどこだっけっておい!
トイレやん!
真っ青になった私はダッシュでトイレに向かった。
幸いジャケットはそのままトイレにかかっていた。
パスポートも、財布も残っていた。
あれでジャケットごと持って行かれていれば
私はシアトルで無一文の身分証持たず。危なかった。
トイレで一息ついて、顔を洗った。
短時間で気づいてよかった。
速く走れる自分の脚に感謝したっておい!
喫煙所に荷物全部置きっぱなしやん!
またダッシュで戻った。
「あんたってどっか抜けてるのよね」
そう言っていた友達の顔が浮かんだ。
荷物もちゃんと取り戻したけどね。
記憶力の悪い私はよく忘れ物をする。
アラスカのアリューシャン列島でも
空港にチケットを忘れたままホテルに行ってしまった。
韓国ではタクシーの中に荷物を全部忘れたことがある。
いずれの場合も運良く戻ってきたが。
>>一番不味かった食べ物は?
韓国の犬鍋。
私は好き嫌いがほとんどなく、何でも食べるし飲むが、
これは不味かった。
韓国の料理は何でもかんでも唐辛子が入っているが
その辛さをぶっ飛ばす勢いで不味かった。
田舎町の道端にバラック家のような定食屋があり、
好奇心に駆られて韓国のエージェントと適当な店に入った。
そこが庶民的な犬鍋の店だった。
出てきた前菜に度肝を抜かれた。
出てきたのは犬の肝臓だった。
食えるかい!
前菜からいきなり核ミサイルだ。
まさか犬の肝臓(湯通ししただけ)とは。
すさまじい匂いを放つ肉の塊を前にして
私はすでに食べる気力を失っていた。
しかし自分で選んで入った店だ。
エージェントもいる手前、食べられませんとは言えない。
犬の肝臓の前菜に始まり、良く分からない肉が入った
臭気たっぷりの鍋を存分に味わわされた。
あれは辛かった。
しかも。
店内で犬を飼ってるんだな、これが。
犬鍋の店で犬を飼うのはどうなんだろう。
その犬の哀愁を思うと、ますます食べ物が不味くなってしまった。
ノックアウト。
やっぱり日本の食べ物が一番良い。
>>今までで行った一番遠いところ。
北極圏。
北米と北欧、両方に行った。
いずれの場合も夏に行ったので白夜だった。
残念ながらオーロラは見られなかった。
太陽が一日中沈まない。
12時間計時の時計だと昼か夜かがよく分からなくなる。
ず〜っと薄ら明るい。
建築物や食べ物は所詮文化の違いだ。
日本でも経験できないことはない。
しかし太陽が沈まないというのは文化の域を超えている。
日本ではありえない自然現象だ。
これは貴重な体験だと思った。最初は。
慣れると何でもない。すぐに飽きてしまった。
他にも色々あるけれど、キリがないのでこの辺りで。
総じて思うのは、部屋でお酒をちびちびやりつつ
音楽を聴いているのが一番幸せだと言う事だ。