「かゆいトコないですか?」と聞かれたら「当ててください」と言いたい

この世のすべてを笑いにかえて生きるタムケンによるブログ。過去の記憶、日々の思い、外国人の妻や障害(ダウン症)を持つ子供たちとの日常について、笑いとユーモアたっぷりのエッセイを中心に書いています。

サッカー新時代

サッカーは足を使ってボールを蹴るスポーツ。 

手を使ってはいけない。 

しかしそれはボールに対してであって、人に対してではない。 

実際にせり合いで手を使っている。 

最近はカメラの数や技術の発達で、アップで写る選手が 相手の服を引っ張っている映像をよくみかける。 

 

しかしあれってちょっとやり過ぎではないか? 

どの程度なら反則なのかは知らないが、 

アップ&スローで見ると限りなく反則っぽい。 

しかも引っ張って引き倒しておきながら審判に反則をとられると 

「俺、何かした!?」のようなジェスチャー。 

バレたんだからもう少し申し訳無さそうに 

すればいいのに。 

 

そこで新しいアイデアを考えてみた。サッカー選手がより有利に試合を進めるために 引っ張られない服を開発してはどうか。 

そもそも体と服の間に空間があって、服が伸びるから相手につかまれる。 ならばピッチピッチの素材を使えばいいのではないか。 

具体的には、競泳選手が着るようなピッチピチユニフォームはかなりいいと思う。 

いっそのこと、ゴム素材で全身タイツのように してしまえばいいのではないだろうか。 

つかまれずにゴール前まで突破できるピッチピチ服は フォワードには必需品となろう。 

 

逆にディフェンダーフォワードの侵入を防ぐために バッサバサにゆらめく服を着てはどうか。 

脇をすり抜けようとするフォワードやボールを 服で捉えるのだ。 

服のそこかしこに釣り針とかガムテープとかをつけておけば ボールやフォワードの吸着率が高まる。 

ペナルティエリアに近いところからのフリーキックでは みんなで協力して服で視界を隠す。 

ピッチピチ服のキッカーは 

「服が邪魔でゴールが見えん!」

と 歯噛みすること間違いなし。 

キーパーもボールが見えなくて苦労するだろうが この際そんな細かいことはどうでもいいだろう。 

 

サッカーの試合ではフォワードみんなピッチピチ。 

ディフェンダーはバッサバサ。 

ユニフォームに形状や重さ、素材の限定があるとは 聞いたことがない。 

あくまでもユニフォームと言えば通るのではないか。 

 

フォワードは肌色のユニフォームなんかを着ていれば遠目には 裸にしか見えない。 

カッコいい選手の擬似全裸を見るために 女性がくぎ付けになりそうな気がする。 

 

ディフェンダーは緑色の服にすれば芝と見分けがつかない。 カナブンの保護色みたい。 

こっそり地面に伏せておいて、 

敵が近づいたら服でとらえるのだ。 

まさに弱肉強食の世界。 

「ああ!?メッシがディフェンスのユニフォームにとらえられました!」 

「ディフェンスは見事な擬態でしたね。私も芝だと思ってました」 

そんなアナウンスがお茶の間に流れる。 

 

他には、催眠効果のある模様をプリントすれば、相手に催眠術をかけめ労せずして 点を取ったり、ディフェンスできるかもしれない。 

もちろん選手の一人は催眠術師にしなければならないが、この際そんな細かいことはどうでもいいだろう。 

フォワード、ディフェンダーボランチの他に 新たに催眠術師というポジションが生まれるわけだ。 

走りながら上手い選手に近づき 五円玉を振り回しながら 

「こっちを見ろ〜、眠くな〜れ〜」

とか言うのだ。 

もうボールとかゴールとかどうでもいい。 

ひたすら催眠術をかけまくる。 

国際試合では敵国の言葉を喋れる催眠術師が 

必要とされるので、体力、催眠力、語学力が 

要求される高度なポジション。 

そしてたまに自分が眠ってしまえばインパクト大。 エンターティメント性も高い。 

お前が寝るんかい!とアナウンサーに突っ込まれる。

 

ピッチピチ全身ゴムタイツのフォワードが走り回り 、バッサバサ保護色の服を着たディフェンダーが 芝に伏せて擬態し、フォワードを服でからめとったり 、5円玉を振り回した催眠術師がマンツーマンで ピッチピチフォワードを追いかける図。 

 

サッカーの新時代の幕明けである。