「外部講師によるハラスメント研修をします。管理職は全員受けるべし」
と、総務部からお達しあり。
案内してきた人はパワハラの権化みたいな部門長。そんな人からハラスメント研修を勧められると、いや、まずあんたが更生してからにせえよと思ったり、昨年受講したあんたには効果なかったみたいだけど意味ありますか?と言いたいが、そこはぐっとこらえ
「了解です」
と二つ返事。偉い。タムケン偉いぞ。
40歳超えてようやく大人になったね。大人の階段登ってるね。何段あるか知らんけど。
業務をチェケラッチョしつつ都合をつけて受講。
いや、講師、役員のお抱え弁護士やん。
てっきり研修の専門会社がプレゼンに来るかと思ってた。弁護士先生は法令や判例は詳しいだろうけど、ハラスメントって何か、これまでの流れはどうか、現在の傾向や他社事例は何か、などなど、様々な知見や解決実績のある専門家ってわけではない気がする。役員御用達の弁護士先生がたまたまその道の専門家だったって偶然も無いだろう。それに、ハラスメントって、起こってからの判例あれこれではなく、社内でそんなことが起こらないように予防するのが重要なのではないだろうか。なんだかなぁ~。
パワハラとかセクハラとか、色々とハラスメントの種類や裁判事例を勉強。まあ、割と基礎的な内容やね。それなりに勉強にはなったけど、裁判例ばかり見てても、それって業務にどう活用するわけ?
んでも、一つ面白い文言があった。
「公然と無視することもハラスメントです」
おお、何ということだ。これは素晴らしいことを聞いたぞ。研修を受けたかいがあった。
研修が終わってから早速、部下のナカタニくんに忠告した。
「ナカタニくん、私はとても勉強になったよ。ハラスメントの謎が一つとけた。この資料見てみなさい」
「なんすか?えっと、公然と無視してもハラスメント、なんですね。なるほど」
「そう。私がつまらない冗談言ってたらさ、君、スルーするやん。公然と無視するやん。それってハラスメントになるからな!人がボケたら突っ込まないといかんよ!分かったね?」
「いや、違うでしょ、それ!」
と言うわけで、皆さんからキチンと突っ込んで貰える法的保証を頂いたので、静まり返ることを恐れず、これからも遠慮なくボケるようにします。
(そもそも真面目に仕事する気は無い)