「かゆいトコないですか?」と聞かれたら「当ててください」と言いたい

この世のすべてを笑いにかえて生きるタムケンによるブログ。過去の記憶、日々の思い、外国人の妻や障害(ダウン症)を持つ子供たちとの日常について、笑いとユーモアたっぷりのエッセイを中心に書いています。

ロマンスの神様の今

新年 あけましておめでとうございます。

本年度も外国人の嫁さん、ハーフの子供たち、猫一匹をよろしくお願いします。

 

年末年始は寒波が日本を覆っていたけど、極寒ならウィンタースポーツで遊べばいいのではと思い、コナン(長男)、チューペット(次男)と六甲山スノーパークに行ってきた。

こちらは神戸の六甲山にある人工スキー場で、電車やバスなど公共交通機関で行けるお手軽なスキースポット。

関西はあまり雪が降らないので身近にスキー場は無い。兵庫県日本海側には鉢伏高原などのスキー場があるけど、本格的に楽しむには長野や岐阜以東に行くことが多い。なので、関西に住んでいると手軽には行けないレジャーがスキーなので、人工スキー場はありがたい存在。

 

体力のある学生は2泊3日(車中泊)の強行軍も多々あり。お金のあるオトナは北海道とかにも行くのだろうか。いずれにしても、お金がなくて時間と体力を使うか、体力と時間を節約してお金を使うのがスキーだと思う。

 

大学生の頃は体力に任せて、バイト代をつぎ込んでは付き合ってる子やサークル仲間とスキー場に行くのがセオリーだった。

スキー場では決まって広瀬香美、ZOO、trf、globeの歌がガンガンにかかってた。(分かります?)

フォーリン・ラブ 

ロマ〜ンスの神様この人でしょうか〜♪

なんでスキー場ではどこにでもスピーカーを置いて、大音量で広瀬香美を聴かせようとするのか謎だった。(広瀬香美は好きだけど)。

授業の合間にバイトで稼いだなけなしの数万円を使って、体力の限りを使って長野県に車中泊でスキー場に何度か行ったけど、正直、しんどいだけで全然楽しくなかった。あまりに辛くて体調を崩したこともある(加減すればよかったんだけど)。

 

キーツアーで一番楽しかったのは、何となく夜に誰かの部屋で開かれる宴会だった。関係ない。スキー全然関係ない。

どうも自分は大変な思いをして旅行し、スキーやキャンプしたり、ディズニーランドに行ったり、〇〇合宿とかに行ったりするよりも、そこに集まる仲間と宴会でダラダラ飲み食いするのが一番楽しいということをこの時に初めて知った気がする。

若いうちは若者らしいことをしたほうがいいと思って周りの流行りに合わせてみたものの、楽しくないものは楽しくない。どうせお金と時間を使うなら、近くの店で誰かと酒を飲む方がずっといい。

以来、スキー場やアウトドア、予定詰め込みで何泊もする強行な旅行や、待ち時間の長いイベントはなるべく避けてきた。

炎天下や極寒の中、数時間も延々と並んだ挙げ句、数分だけ乗り物に乗って数万円払うような遊園地は苦痛でしかない。貴重な時間を使って並ばされているのだから、逆にこっちが十万円は払ってもらいたいし、それでも割に合わないくらいだ。

遊園地なんて、行きたい人や楽しめる人が行けばいいし、私のように金をもらっても行きたくない人は行かなくていい。来られる方も迷惑だろう。

 

ところが世の中には遊園地やスキーには時間とお金をかけて誰もが行って楽しめるものと思ってる人が結構いる。

他にも海外に行って色んな経験を積むべきとか、一流のモノに触れて感性を養うべきとか、自分が好きでタメになったからと言って、こっちが聞いてもいないのにやって当たり前論、やるべき論の価値観を押し付けてくる人たちがいる。彼ら曰く。

 

「え?タムケンって〇〇したことないの? 

 なんで行かないの?  

 行けばいいのに」

 

〇〇しないの?は分かる。単なるリアクション。

なんで?も分かる。理由を知りたいだけ。

行けばいいのに、やればいいのに、は致命的な発言。この発言をする人は相手のことなんて考えてはいない。

 

余計なお世話だ。

 

面と向かってそうは言わないが、内心この人とは合わんなと思ってフェードアウトするのが常。相手もこんな考えの私とは合わないから全く問題ないだろう。

ちなみによく言われるのは私がUSJに行ったことがないことに対して。行かない理由は上記の通りだ。関西人なら行ったことがない方が珍しいだろうから驚かれるのはいいとして、行けばいいのに、まで言う人はサヨナラ。永遠に交わることはない。

 

話を戻そう。

 

行きたくないところ、やりたくないことは色々あるけど、それは自分で経験して決めたり感じたことで、子供たちや家族のためとなると別。私が連れて行かなければ子供が自力でできることは少ないので、私が行きたくなかったり未経験でも、調べて連れて行くか、子供だけで参加できるイベントに同行させてもらうかなどしている。

 

そんなわけで、久しぶりにスキーに行った(前置き長っ)。

 

人工スキー場だけど大阪から電車とバスで日帰りできるのは大きなメリット。

二十年ぶりに訪れたゲレンデ。

の割に何なく滑れた。身体記憶ってすごい。

泳ぎや自転車のように、体で覚えると忘れない。

で、初心者の子どもたちを軽くレクチャー。

ゆるゆると滑っては転んだり起きたり、まあ楽しそうでよろしいこと。

雪の上を滑るだけで何が楽しいのかさっぱり分からないが子どもたちが楽しいならこれでヨシ。

 

スキーを付けたままリフトに乗るのが怖いと言う子供たちのために、私がスキー板二人分を手に持ってリフトに乗り、上で子供たちに履かせ、滑らせ、自分は歩いて降り、また板を持ってリフトで登る、の繰り返し。

私のスキー板はほぼ置きっぱなし。意味ない。レンタルした意味ない。子どもたちのために来たので問題ないけど。

 

パパは全然滑れてないよね、と謝る子どもたち。いや、全然問題ない。だってスキー楽しくないから。

 

初めは転んでばかりだった子どもたち、最後らへんは結構滑れるようになった。

適応が早い。

そのまま夕暮れまで散々スキーを楽しんだ。

また来る?と聞いたら

「楽しかったけどスキーはもういいや」 

とのこと。

うん。間違いなく私の子供だ。

 

広瀬香美のかわりにゲレンデで流れていたのはヨアソビ『夜に駆ける』だった。

沈むように、溶けていくように〜♪

曲は変われど屋外でガンガンに音楽を流すのはいつでもどこでも同じらしい。

 

ただし時代を経てロマンスの神様は、恋に落ちずに夜に駆けるようになったようだ。